山芋又は自然藷[じねんじょ]の上皮[うはかは]を奇麗にむいて、大根下[おろ]しにてすりおろし、▼あたり鉢にてよくすり別に味をつけたる煮汁[だし](鰹節[かつぶし]のだしに醤油の煮汁[だし]砂糖を加減し甘辛く)を▼そろそろとまぜこみ、よく擦[す]り上[あが]りたるを見計らひ、生鶏卵[なまたまご]一個乃至[ないし]二個をわりこみ、更によくすりおくなり。然[しか]して炊き立ての御飯を程よく盛り、其上[そのうへ]にかけて食す。とろろ飯はよく麦飯にかける事あるも、近頃は反[かへ]って米の飯にかけて喰[くら]ふ人多し。御飯も炊き方は少し硬[こは]めをよしとす。