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しん板鹿児島しりとり軍記(しんぱんかごしましりとりぐんき)

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富士によく似たさくら島
 島津西郷後ろだて
たて旗丸に十文字
 文字[もんじ]をちらす旗じるし
しるし見当に打[うち]かけろ
 かける宦軍[くわんぐん]進みあし
あしなみそろふが勢ぞろひ
 揃ひ揃ひし士族がた
刀さすのは鹿児島で
 電報たんぽふ新聞社
社中の評議も定まらず
 ずとん鉄砲音ひびき
響く鹿児島電報録
 ろくけん騒ぎが事となり
りりしきの都[みやこ]がた
 かたげた鉄砲打[うち]をろす
をろす大砲引揚[ひきあげ]
 あげる火の手の地雷火[ぢらいくわ]
[にげ]る大敵[だいてき][うち]たをす
 斃[たを]す勢[いきほ]ひ勝軍[かちいくさ]
[いくさ]の先陣騎兵たい
 たいをかためる田原坂[たばるざか]
さかのたたかひ上とした
 したから官軍打[うち]よせる

明治十年三月廿三日御届 定価壱銭五厘
第一大区六小区青物町十三番地 根本新右衛門 版

「しりとり歌」をモトにして西南の役の頃につくられた一枚ものの刷りもの。24個に画面が区切られていて、それぞれの文句に簡単な絵が描かれています。
▼西郷…西郷隆盛。
▼丸に十文字…島津家の紋。くつわ。
▼文字…薩摩の士族たちが幡に書いていたという「新政厚徳」の文字のこと。
▼宦軍…官軍。
▼たんぽふ…探訪。取材記者のこと。
▼ろくけん…禄券。
▼錦…官軍のしるし。錦の御旗。
▼上とした…西南の役の中でもゆび折りの大合戦がくりひろげられた田原坂などの戦いを示していますが、モトの「しりとり歌」にある「柱は二階とえんのした」のリズムをちょっと利かしています。
▼明治十年…1877年。
▼定価…明治10年代の絵草紙の価格は1銭〜5銭あたり。仮名垣魯文が書き金松堂が売り出した『高橋阿伝夜叉譚』(1878)などの合巻に属する絵草紙の当時の定価は12銭5厘くらい。
校註●莱莉垣桜文(2010) こっとんきゃんでい