しん板鹿児島しりとり軍記(しんぱんかごしましりとりぐんき)
富士によく似たさくら島
島津▼西郷後ろだて
たて旗▼丸に十文字
▼文字[もんじ]をちらす旗じるし
しるし見当に打[うち]かけろ
かける▼宦軍[くわんぐん]進みあし
あしなみそろふが勢ぞろひ
揃ひ揃ひし士族がた
刀さすのは鹿児島で
電報▼たんぽふ新聞社
社中の評議も定まらず
ずとん鉄砲音ひびき
響く鹿児島電報録
▼ろくけん騒ぎが事となり
りりしき▼錦の都[みやこ]がた
かたげた鉄砲打[うち]をろす
をろす大砲引揚[ひきあげ]る
あげる火の手の地雷火[ぢらいくわ]に
逃[にげ]る大敵[だいてき]打[うち]たをす
斃[たを]す勢[いきほ]ひ勝軍[かちいくさ]
軍[いくさ]の先陣騎兵たい
たいをかためる田原坂[たばるざか]
さかのたたかひ▼上とした
したから官軍打[うち]よせる
▼明治十年三月廿三日御届 ▼定価壱銭五厘
第一大区六小区青物町十三番地 根本新右衛門 版