画図百鬼夜行(がずひゃっきやこう)陽の巻

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○女郎ぐも ○てんあそ火 ○さうげん火 ○くはしゃ ○つるべ火
○ふらり火 ○うばが火 ○さかばしら ○まくらかへし
○野でら坊 ○高女 ○手の目 ○鉄鼠 ○黒塚
○ろくろくび ○うぶめ ○海座頭 ○雪女 ○いきれう
○死れう ○ゆうれゐ

●叢原火以後、目録と実際の配列とが変わっている点に注意。「やなり」は目録にいない。

絡新婦[じょらうぐも]
鼬[てん]
○叢原火[そうげんび]
洛外西院の南壬生寺のほとりにあり俗これを朱雀の宗源火といふ
○釣瓶火[つるべび]
○ふらり火
○姥が火
河内国にありといふ
○火車[くはしゃ]
○鳴屋[やなり]
姑獲鳥[うぶめ]
○海座頭[うみざとう]
○野寺坊[のでらぼう]
○高女
○手の目
○鉄鼠[てっそ]
頼豪[らいがう]の霊[れゐ]鼠と化[かす]と世にしる所也
○黒塚[くろつか]
奥州安達原にありし鬼古歌にもきこゆ
飛頭蛮[ろくろくび]
○逆柱[さかばしら]
○反枕[まくらがへし]
○雪女[ゆきをんな]
○生霊[いきれう]
○死霊[しれう]
○幽霊[ゆふれゐ]

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▼絡新婦…「じょろうぐも」の漢名の文字を使ったもの。目録では「女郎ぐも」の表記という点を注意。
▼鼬…目録では「あそ火」(遊火?)と名前がつづいていますがここでは「てん」のみ。
▼洛外西院…淳和天皇の別荘。
▼宗源火…『新御伽婢子』では「宗玄」の用字。
▼河内国…河内国平岡神社につたわる。
▼姑獲鳥…子供に害をなすという「姑獲鳥」(こかくちょう)から唐名をとって付けたもの。
▼頼豪…近江国三井寺の僧侶。『平家物語』などでひろく知られる。
▼古歌…平兼盛の「みちのくのあだちがはらのくろつかにおにこもれりときくはまことか」
▼飛頭蛮…王圻の『三才図会』などにある首のとぶ「飛頭蛮」(ひとうばん)から唐名をとって付けたもの。
校註●莱莉垣桜文(2010) こっとんきゃんでい