世帯平記雑具噺(せたいへいきがらくたばなし)

上のまき
中のまき
下のまき

もどる

作 -
版元 吉田屋小吉

この絵草紙は、当時庶民の間で広く親しまれていた「軍記物」の講釈を、家のなかにある道具たちに見立てて描いた一作です。

『平家物語』や『太平記』に代表される「軍記物」を人間以外のものに寄せて描く手法は古くからあって、古いものでは足利時代のお伽草紙『鴉鷺合戦物語』(あろかっせんものがたり)や狂言の『菓争』(このみあらそい)などが挙げられます。

発行された年月日が記されていないので正確な発行年は不明ですが、画の描きぶりや筆耕の書体などから天保以後〜明治初期の発行と考えられます。

吉田屋小吉は江戸の馬喰町にあった版元で、端唄や口説き歌の本や小型の噺本などを主に売っていた店で、明治の頃にも引き続き営業をしていました。

校註●莱莉垣桜文(2010) こっとんきゃんでい