化物和本草(ばけものやまとほんぞう)

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作 山東京伝 Santo Kyoden
画 可候 Kakou
版元 山口屋忠右衛門
寛政10年(1798)

既に絵草紙などで知られていた妖怪をもじりかえたものや、人々の間で使われている言葉で形にしたらおばけくさくなるものを描いたもの。享和3年(1803)に出される事となる『怪談摸摸夢字彙』と同趣向のもの。

形式は寛政3年(1791)に売り出された万象亭の『画本纂怪興』を下敷きにしていて、「人面の鯰」や「爪の火」などに直接の影響がうかがえます。

可候は北斎の号のひとつで、絵草紙の作をするときなどに使っていたとおぼしいもの。のちにこの号は渓斎英泉が嗣ぎ、一筆庵可候と名乗っています。

校註●莱莉垣桜文(2010) こっとんきゃんでい